「あん摩マッサージ指圧師は、きつい、つらい、やめとけ」といわれたことがありましたが、私はそれなりに楽しく仕事ができました。
ただ、安定収入の問題から転職しました。あん摩マッサージ指圧師の資格を活かして新たな職場で働くなら、機能訓練指導員が選択肢の一つとなります。
今回は、意外と知られていない機能訓練指導員に焦点を当ててみたいと思います。
私は、鍼灸師あん摩マッサージ指圧師資格を取得後、3年だけ自宅治療院で働き、その後ヘルパーを1年勤務してから機能訓練指導員になりました。
あん摩マッサージ指圧師資格をお持ちの方、機能訓練指導員をご存じですか?
これから、機能訓練指導員という職種について紹介していきますね。
機能訓練指導員という選択肢
機能訓練指導員とは
機能訓練指導員は、高齢者介護施設で働くリハビリ職員の一種です。
様々な形態の高齢者介護施設がありますが、代表的な特別養護老人ホーム(特養)、有料老人ホーム、デイサービス(通所介護)といった施設でリハビリ業務を行います。
高齢者介護の需要が増えている今、機能訓練指導員はますます重要な存在となっています。
機能訓練指導員になるには資格が必要
機能訓練指導員になるには特定の資格が必要です。
必要な資格は次の通りです。
・看護師または准看護師
・理学療法士
・作業療法士
・言語聴覚士
・柔道整復士
・あん摩マッサージ指圧師
・鍼灸師
※2018年に鍼灸師も加わりました!
施設に機能訓練指導員は必要人員
老人福祉施設には職種の人員基準が定められています。
職名 | 有料老人ホームの場合 |
施設長 | 1人 |
介護職員 | 看護職員と併せて要介護者3人に対して1人以上 |
看護職員 | 入居者30人迄は1人以上、入居者50人増で1人追加 |
生活相談員 | 1人以上 |
機能訓練指導員 | 1人以上 |
ケアマネ | 1人以上 |
つまり、各施設には必ず機能訓練指導員が必要なのです。
これって、あん摩マッサージ指圧師にとって素敵なことだと思いませんか。
機能訓練指導員は、本来は理学療法士、作業療法士の職業
あん摩マッサージ指圧師が機能訓練指導員になれるといっても、機能訓練指導員に求められている実務内容は理学療法士、作業療法士のための職種のように思います。
ではなぜ、あん摩マッサージ指圧師にも資格が与えられているかというと、機能訓練指導員の人員不足にならないためです。
高齢化に伴い今後もどんどん増えていく老人福祉施設、人員基準を満たせないため増やせないのでは本末転倒です。
そこで、対象資格を広げることで人員確保に対応するようです。新たに鍼灸師が追加されたのもそのような理由でしょう。
色々な思惑もあるでしょうが、とにかくあん摩マッサージ指圧師にとって、機能訓練指導員という選択肢が与えられたことはうれしことです。
なぜ機能訓練指導員なのか
私は、あん摩マッサージ指圧師が機能訓練指導員になることを、決して勧めているわけではありません。
資格を取った人は、その専門技術を生かせる治療院に勤務、そして開業をしなくては高いお金と貴重な時間を使ってやっと得た資格と技術の意味がないでしょう。
治療技術を収めて働いている人は、機能訓練指導員について考える必要は全くありません。絶対的にその技術を伸ばすことをお勧めします。
なぜなら機能訓練指導員には、その技術は全く必要がないと言ってよいからです。
ではなぜ、機能訓練指導員を紹介しているのか?
それはあん摩マッサージ指圧師にとって機能訓練指導員は、本職を辞めた後に資格を活かせる貴重な転職先の一つだと知っていただきたいからです。
年を取ったので不安定な収入に耐えられない、といった人たちへの選択肢の一つだとお考え下さい。
私がそうでした。
機能訓練指導員の良いとこ
機能訓練指導員の利点は、資格のお陰で施設での必要人員になれることでしょうか。
つまりは替えがきかない人材になれてしまいます。
正社員になれたら、そこそこの会社の社会保険制度(健康保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険)の中で長く働くことができます。
これは大事です。
私自身も会社に守られているなぁと何度も実感しました。
そして高齢者介護施設は他の資格を持った人達が集まった立派な会社です。
結構見識が広がりますよ。
次に、機能訓練指導員は大きな施設でなければ一人です。業務の内容、進め方にかなり自由が与えられます。
最初は前任者の業務を引き継ぐ形になりますが、長く働いていると自分に合った業務の流れになってきます。
仕事の進め方を自己管理ができる人には、とても良い利点となります。
これはかなり個人的な考えなのですが、機能訓練指導員の業務動作は体操や歩行、ストレッチなどを入居者(高齢者)と一緒に行うため全身的な動作(いわゆる健康的な運動)のため、比較的に身体への負担が少ないと思います。
40代半ばから機能訓練指導員として働きました。仕事の体操、歩行、そしてストレッチのお陰で腰痛等もなくうまく過ごせたのだと知人には話しますが…どう思われますか?
機能訓練指導員に向いている人
入居者の方たちの生活に関わりながら、一緒に体操したりお話ししたりが楽しめる人(苦痛でない人)には最適でしょう。
逆にいろいろな人とのコミュニケーションが嫌いな人にはつらいと思います。
その施設のためにも、コミュニケーションが取れない人はやめておくべきでしょう。
また、自分の技術にこだわりすぎる人には不向きかもしれません。
医者など医療従事者もいる職場ですから、治療ではなくリハビリと介護予防を学んでいきましょう。
その施設が求めている業務に素直に従える人が長く勤められるようです。
簡単には次のような人は全く問題ないでしょう。
・体操など全身を使った運動が好きな人
・介護に理解がある人
・老若男女だれとでもお話しができる人
・施設の業務を素直に引き継げる人
機能訓練指導員の求人募集
実際にどれほどの機能訓練指導員がいるのでしょうか?
機能訓練指導員は施設にとっての必要人員ですから、施設の数以上にいることは間違いありません。
それでも施設の数だけなら求人募集は少ないと思えます。
しかも、あん摩マッサージ指圧師での募集はもっと減るのではないかと思えます。
ですが、機能訓練指導員のあん摩マッサージ指圧師での求人募集は、意外と多いです。
実際のあん摩マッサージ指圧師での求人募集
それでは実際に、どれほどの求人募集があるのか調べてみましょう。
求人検索で探してみます。
『機能訓練指導員 あん摩マッサージ』のキーワードで検索してください。
検索結果はいかがですか? 勤務地が近くにありましたか?
もし気になる求人募集がありましたら、応募内容をよく見てください。
『応募する』をクリックするとより詳細が見れます。
例えば、次の求人募集に書かれている「有料老人ホーム」、「介護施設未経験OK」はお勧めワードです。
募集要項の詳細を見てみましょう。
他にも「特別養護老人ホーム」の求人もありました。
安定の「特別養護老人ホーム」です。詳細も見てみましょう。
いかがでしょうか。気になる求人募集を見つけられましたか?
募集要項の詳細は機能訓練指導員についての勉強になりますので、よく読んでください。
気になる施設はぜひ、面接と施設見学を体験してください。
その他、補足説明
デイサービスには送迎業務がある
検索で見つかった求人募集は、デイサービス(通所介護)が圧倒的に多かったと思います。
デイサービスは有料老人ホームや特別養護老人ホームに比べて、業務内容がかなり異なるので注意してください。
一番の違いは、ほとんどのデイサービスで送迎業務を求められているということです。
送迎業務とは利用者の送迎のため車の運転と乗り降りの介助です。
どこまで求められるかは施設によって異なると思いますが、勤務時間の多くを占めますので留意しておいてください。
募集資格にも優遇がある
機能訓練指導員に必要な資格に優劣はありませんが、実際の募集資格の数では圧倒的に理学療法、作業療法が有利です。
理学療法士と作業療法士だけで募集をかけている施設も多いです。
募集の多い順に、理学療法士>作業療法士>柔道整復師>あん摩マッサージ指圧>鍼灸師となります。
それでも、以前に比べてあん摩マッサージ指圧師での募集も増えているようです。
理学療法士よりあん摩マッサージ指圧師の方が安く雇えるという理由があるのかもしれませんが、施設で働くあん摩マッサージ指圧師の先達が良い結果を出してくれているお陰でしょう。
おわりに
今回この記事で、あん摩マッサージ指圧師にとって機能訓練指導員という資格を生かせる職種があることをお伝えしました。
転職は別としてでも、介護業界に興味がある方は、ぜひ施設見学なども検討してみてください。
とてもよい体験になりますよ。
それはまた、
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