高齢者の認知機能や運動機能の維持・向上に、VRゲームやVRフィットネスはとても優れたツールになることをご存知ですか?
過去15年間、私は高齢者施設にて機能訓練指導員として、利用者様の日常生活動作の改善と維持に携わってきました。
その中で、認知症予防と転倒予防を目的としたコーディネーショントレーニングを積極的に取り入れ、訓練メニュー開発にも力を入れてきました。
高齢者にとって、認知機能と運動機能の維持・向上は、自立した生活を維持するために不可欠です。
コーディネーショントレーニングは、これらの機能を総合的に鍛える効果的な運動プログラムとして近年注目されています。
コーディネーショントレーニングとは?
コーディネーショントレーニングとは、目や耳から受け取った情報を脳で瞬時に判断し、その指示に従って体を動かすトレーニングです。
コーディネーショントレーニングの効果
コーディネーショントレーニングには、次のような効果があります。
- 運動能力の向上
- 怪我の予防
- 日常生活動作の改善
- 集中力や記憶力の向上
- 脳の活性化
これらの効果は、まさに高齢者の自立した生活に求められる認知症予防と転倒予防に一致しています。
コーディネーショントレーニングの例
実際のコーディネーショントレーニングとしてキャッチボールがわかりやすい例です。
飛んでくるボールを目で追いかけ、タイミングよく手を伸ばしてキャッチするには、視覚情報と運動情報の迅速な処理と連携が求められます。
他にも「バランスボールを使ったトレーニング」「縄跳び」「ラダートレーニング」「ボールを使ったゲーム」「リズム体操」など、主に子供の運動能力の発達のために紹介されていますが、シニアにとっても効果的なトレーニングです。
道具を使って楽しくトレーニングできるものが多く、運動が苦手な方でも無理なく取り組むことができます。
高齢者施設での機能訓練は、要介護者を対象としているため、本格的なコーディネーショントレーニングとはあまり関係のない、安全性を重視した訓練が採用されています。
具体的には、「脳トレ体操」と呼ばれる認知機能訓練を多く取り入れて、一般の方からはレクリエーションと見受けられることも少なくありません。
効果的なコーディネーショントレーニングに必要な要素
効果的なコーディネーショントレーニングには、以下の要素が必要です。
- 常に脳にストレスを与える: 慣れた動作ではなく、常に新しい状況に適応し、判断を下すことが重要です。
- 反射神経だけでなく、思考力も必要: 単純な反射神経だけでなく、状況を判断し、適切な行動を選択する思考力も必要です。
- 頭が混乱するような要素: 脳が常に活性化し、集中力を維持できるような、複雑な動きや状況が必要です。
シニアの方にも効果的なコーディネーショントレーニングは、以下の点に留意する必要があります。
- 運動強度や難易度を調整する: 体力や運動経験に合わせて、無理のない範囲でトレーニングを行うことが重要です。
- 安全性を確保する: 転倒などのリスクを回避するため、周囲の環境に注意し、必要に応じて介助者を設けることが重要です。
- 楽しみながら行う: 継続するために、ゲーム性を取り入れたり、音楽を流したりするなど、楽しみながらトレーニングを行うことが重要です。
コーディネーショントレーニングは、運動能力の向上だけでなく、脳の活性化や認知機能の維持・向上にも効果が期待できることが今回のポイントです。
VRで実現する、理想的なコーディネーショントレーニング環境
VR技術は、3D空間に様々なエクササイズ環境を構築することを可能にし、コーディネーショントレーニングに必要な要素を存分に満たすことができます。
VRゲームによっては、コーディネーショントレーニングに最適な環境を提供します。
例えば、3D空間で展開されるシューティングゲームでは、プレイヤーは敵の位置や動きを瞬時に判断し、それに応じた操作を行う必要があります。
この一連の動作は、脳の様々な機能を刺激し、視覚情報処理能力、空間認識能力、判断力、運動制御能力など、コーディネーショントレーニングに必要な要素を総合的に鍛えることができます。
メタクエスト
エクササイズなどのVR体験には、メタクエスト(Meta Quest 2, Meta Quest 3)がおすすめです。
メタクエストは、PCとの接続不要で、単体でVR体験を実現できるVRゴーグルです。
エクササイズのように身体を激しく動かす場合でも、ケーブルの煩わしさがないため、快適に利用できます。
OhShape
次に、メタクエストで使えるコーディネーショントレーニングに最適なアプリ「OhShape」がおすすめです。
OhShape(税込¥2,208)は、次のリンク先から2515%引きで購入できます。
OhShapeは、全身運動とリズムゲームを融合させたVRゲームです。
プレイヤーは、音楽のビートに合わせて、様々な形状の壁をくぐり抜けたり、パンチしたり、壁を避けたりすることで、全身を使って運動を楽しむことができます。
難易度が高くなると迫ってくる壁の間隔が短くなります。次のポーズを素早く判断して、素早くポーズを取らなくてはならないので、とっさの判断力、素早く正確なポーズへの切り替え動作が求められます。
OhShapeの効果として以下の点が考えられます。
- 運動能力の向上:全身運動なので、運動能力の向上に効果があります。
- 脳の活性化:リズムに合わせて素早い判断で体を動かすので、脳の活性化に効果があります。
- 認知機能の向上:空間認知能力や判断力などの認知機能の向上に効果があります。
- 反応速度の向上:目で見たポーズに素早く切り替えるので、反応速度が向上します。
- リズム感の向上:音楽に合わせて体を動かすので、リズム感の向上に効果があります。
- バランス能力の向上:サイドステップで壁を避けたり、不安定な姿勢を維持したりバランス能力の向上に効果があります。
OhShapeは、これらの効果からコーディネーショントレーニングに必要な要素を多分に含んでいると、長年の機能訓練指導員としての経験に基づいて判断しています。
※認知症予防や転倒予防への効果については、現時点ではデータに基づいた評価は行われていません。
OhShapeの革新的な点は、様々なポーズの人型の壁をくぐるというアイデアにあります。
このアイデアにより、インストラクター(指導員)がいない状況でも、自分で正確なポーズができているかどうかを確認することができます。
これまで、認知症予防と転倒予防のために、指導員が指示したポーズをとるという訓練メニューを多くの方々に指導してきました。
目で見たポーズや頭で判断したポーズを正確に身体で表現する訓練は、実証に基づいた効果的な訓練メニューです。
その他の注目する点は、
1回のプレイ時間は1曲の音楽時間、つまり2~4分程度と短く、運動量が簡単に調節できます。
また、多くの音楽(プレイモード)が用意されているので、慣れて飽きることがありません。
難易度に応じてプレイのパターンが変化するため、脳をより活性化させ、運動効果を高めることができます。
狭いスペースでのプレイも考慮されています。「スペース小」を設定するとラジオ体操程度のスペースでプレイできます。
自分に合ったトレーニング方法を見つけることが重要です。効果的なコーディネーショントレーニングを意識して、ぜひ継続してみてください。
OhShape(税込¥2,208)は、次のリンク先から2515%引きで購入できます。
より楽しむための補足説明
音楽を増やしたい時は、次のDLCを追加できます。
次のサイトでは、有志の方が作成した様々なOhShape用音楽を無料でダウンロードできます。
この無料のDLCのお陰で楽しさ倍増です。
自分の好きな曲でダンスができたら、最高の気分になれます。
無料なのにQueenの"We Will Rock You"、マイケル・ジャクソンの"Bad"、"Billie Jean"、"Beat it"、ケリー・クラークソンやイマジン・ドラゴンズの曲もあります。
だけど、難易度がExpert(エキスパート)しかなかったりします。今の私にはとてもクリアできませんが、いつか"We Will Rock You"をクリアするという目標ができたのは良かったですね。
ダンスに合った日本のアニソン、ゲームソング、ボカロもありますよ。
まとめ
高齢者の認知機能や運動機能の維持・向上には、コーディネーショントレーニングが効果的と言われています。
実際の機能訓練として、認知症予防と転倒予防のために、コーディネーショントレーニングを取り入れた多くの訓練メニューがあります。
VRを活用することで、理想的なコーディネーショントレーニングを安全かつ効果的に行うことが可能です。
そして、効果的なコーディネーショントレーニングを、メタクエストで使えるアプリ『OhShape』で手軽に実現できます。
OhShape(税込¥2,208)は、次のリンク先から2515%引きで購入できます。
おわりに
私がVRは素晴らしいなと思うことの一つが、メタクエストを装着するだけで、自分の部屋がフィットネスジムに変身することです。
腕立て伏せ、腹筋運動、スクワットなど、様々な自主トレをそのフィットネスジムで行うことができます。
つらいスクワット運動も、素敵なジムでアバターのトレーナーから励ましの言葉を受けながら取り組めば、モチベーションを維持できます。
単純な反復運動にゲーム性を加えて、楽しみながら自主トレできることが、VRフィットネスアプリの素晴らしいところですね。
この記事では、コーディネーショントレーニングについて説明してきました。
実は、高齢者の認知機能と運動機能の維持・向上に効果的な運動として、ダンスも注目されています。
ダンスには、コーディネーショントレーニングの要素が多分に含まれているのです。
近年、カルチャーセンターやフィットネスジムでは、シニア向けのダンスコースが盛んに開講されています。
多くの高齢者の方々が、ダンスを通して健康維持に積極的に取り組んでいるのです。
ダンスは、従来はフィットネスジムやダンススタジオに通う必要がありましたが、VRを使えば、場所や時間を選ばずに、自宅で好きな時間に、まるで自分がダンサーになったかのような感覚で、複雑なダンスの動きを軽やかに再現できます。
機能低下を待ってからの予防は難しく、できるだけ早い段階から予防に取り組むことが重要です。
つまりは、できるだけ早く踊りましょう!
VRは、高齢者の健康増進と自立した生活の実現に貢献できると期待しています。
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